秋になると、自転車業界は展示会シーズンを迎えます。
各メーカーが新モデルを発表し、業界関係者が集まる──そんな光景は、昔からこの時期の“恒例行事”でした。
しかし、2025年の今、僕は本気でこう思っています。
👉「正直、もう展示会に“行く意味”はほとんどない。」
今回は、自転車ショップの現場に立つ立場から、なぜそう感じるのか、そしてそれでも“現場”にしかない価値とは何か、さらにあまり表には出てこない“営業マンの思惑”や“情報操作の可能性”についても、包み隠さず本音で書いてみます。
1. かつて展示会は「行かなければ損」なイベントだった
10年前までは、自転車の展示会はショップにとって“必須”の場でした。
- 新作モデルを誰よりも早く実物でチェックできる
- メーカー担当者から直接話を聞ける
- カタログや価格表、スペック情報を入手できる
行かなければ知り得ない情報が山ほどありました。
展示会で最新情報をキャッチアップしておかないと、販売のチャンスすら逃してしまう──そんな時代だったのです。
2. SNS時代、展示会の情報価値は激減した
しかし今は状況が一変しています。
SNSと公式サイトの発信力が、展示会の役割を大きく変えてしまいました。
- 各メーカーはSNSやWEBで新モデルを同時発表
- 現地ショップやメディアが写真・動画を即日公開
- 海外ブランドの情報もオンラインで簡単に入手可能
結果、「展示会でしか得られない情報」はほとんど存在しなくなりました。
カタログやスペック程度なら、スマホひとつで手に入る時代です。
さらに、わざわざ時間と交通費をかけて行っても、現地で得られるのはパンフレットと営業トークくらい。
“情報を集める”という目的では、展示会の価値は限りなくゼロに近づいています。
3. それでも現場でしか得られない「市場の空気感」がある
とはいえ、展示会を完全に無意味だとは思っていません。
ひとつだけ、“現場に行かなければ絶対に得られない価値”があるからです。
それが、「市場の空気感」です。
- どのブランドやカテゴリーに人が集まっているか
- 担当者や開発者の話し方、声のトーン
- 来場者の関心がどこに向いているか
- 現場でしか感じられない“熱量”や“勢い”
こうした“肌感覚”は、どれだけSNSやWEBを見ても絶対にわかりません。
数字では測れない「空気」こそ、展示会に足を運ぶ大きな価値のひとつです。
4. 「情報操作」が行われている可能性もある
ここからは少し“裏話”です。
あくまで僕の推測ですが、展示会の現場では「情報操作」が行われている可能性があります。
例えばこんな言葉、聞いたことはありませんか?
- 「あそこのショップではこのモデルが爆発的に売れていますよ」
- 「来年はこのカテゴリーが間違いなく伸びます」
もちろん、これは本当のことかもしれません。
しかしその裏で、営業マンが“市場の空気”を意図的につくっている可能性も否定できません。
実際、頭の良い営業マンはこうした戦略をすでに実践している“かもしれません”
- 販売店の売上動向や顧客層を分析し、店舗ごとに最適な提案を行う
- 販売店を“ブランドの発信拠点”として活用し、認知を広げる
- 「売れている」「これから来る」という空気をつくり出し、消費者心理を動かす
- 店舗での購買行動を誘導し、市場全体の流れをコントロールする
こうした動きがもし本当に行われているとしたら、展示会は単なる新製品発表の場ではなく、「市場を動かすための舞台」でもあるということです。
5. 鵜呑みにせず、「読み解く力」を持つ
こうした状況だからこそ、僕ら販売店側には「情報を鵜呑みにしない力」が求められます。
- 「本当に売れているのか?」
- 「その“流行る”という言葉は誰の都合なのか?」
- 「自分のお客さんにとってそれは本当に必要か?」
この視点を持つだけで、展示会で得た情報は“ただの話”から“ビジネスの戦略”へと変わります。
情報が溢れる今の時代だからこそ、選び取る・見極める・使いこなす力が欠かせません。
そして、ここで一つ強く感じるのは、最近の業界全体に「ブームや流行を“待つ”空気」が漂っているということです。
しかし、それでは本質的な成長はありません。
👉 ブームは待つものではなく、仕掛けるもの。
👉 流行は乗るものではなく、つくるもの。
僕らショップ自身が“仕掛ける側”になっていかなければ、市場を変えることはできません。
受け身ではなく、攻めの姿勢で市場と向き合うことが、これからの時代には必要です。
6. 行く・行かないは「目的」で決める
結論として、展示会に行くかどうかは「目的」で決めればいいと思っています。
- カタログや新作情報が欲しいだけ → 行かなくてもOK
- 市場の空気を読みたい → 行く価値あり
- 営業マンの本音・戦略を探りたい → 行って損なし
“行くこと自体”が目的になると意味がなくなります。
明確な目的を持って臨むことで、展示会は価値ある時間へと変わります。
まとめ:「情報を受け取るだけでなく、“市場をつくる”存在へ」
今の展示会は、かつてのような「情報を集める場」ではありません。
それは「現場の空気を感じ、意図的につくられた可能性のある情報を読み解き、未来の市場を自分たちで考える場」へと変わりました。
僕自身も「もう行く意味はほとんどない」と思いつつ、“空気を読むため”に現場へ足を運ぶことがあります。(今年は行けてない)
SNSやWEBでは絶対に得られない“リアルな温度”は、今も現場にしか存在しないからです。
そして何より大切なのは、受け取った情報を使って「市場を動かす側」に立つこと。
ブームを待つのではなく、ブームをつくる。
流行に乗るのではなく、流行を仕掛ける。
情報は“受け取る時代”から、“使いこなして動かす時代”へ。
展示会との向き合い方も、僕ら自身の姿勢も、今こそ大きく変えていく必要があると感じています。


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