ロードバイクを購入するとき、かなり悩むのが**「サイズ選び」**です。
同じ身長でも、
「52と54、どっちがいい?」
「メーカーの適正身長表では両方に当てはまっている」
「欲しいモデルのサイズが少し大きい(小さい)けど乗れる?」
こんな相談は、店頭でもよくあります。
僕自身、自転車業界に約20年携わり、たくさんのお客さんの自転車選びやポジションを見てきました。
今回は、その経験から僕が普段どのようにロードバイクのサイズを考えているのかを書いてみます。
※最初にお伝えしておくと、これはあくまで**「榎本流」**です。
フィッティングにはさまざまな理論がありますし、身体の柔軟性、手足の長さ、乗り方などによって適正サイズは変わります。
「こういう考え方もあるんだな」くらいで参考にしてください。
まずは身長から大まかなサイズを考える
昔から僕がひとつの目安にしているのが、トップチューブ長です。
かなり大まかな目安ですが、僕の場合はこのあたりを基準に考えます。
- 身長160cm → トップチューブ約500mm
- 身長165cm → トップチューブ約515mm
- 身長170cm → トップチューブ約530mm
- 身長175cm → トップチューブ約545mm
- 身長180cm → トップチューブ約560mm
もちろん、これは絶対ではありません。
現在のロードバイクはスローピングフレームが一般的なので、ここでいうトップチューブ長は基本的に「水平換算トップチューブ長(Effective Top Tube)」として考えてください。
メーカーやモデルによってジオメトリーはかなり違います。
そのため、僕も実際に自転車を選ぶときは、トップチューブ長だけで決めることはありません。
今は「リーチ」と「スタック」も確認します
最近のロードバイク選びで、ぜひ見てもらいたいのが、
REACH(リーチ)
STACK(スタック)
です。
簡単に言えば、
リーチ=フレームが前方向にどれくらい長いか
スタック=ハンドル位置をどれくらい高くできるフレームなのか
を見るための数字です。
同じ「Mサイズ」や「54サイズ」でも、メーカーやモデルが違えばリーチもスタックも違います。
さらに同じメーカーでも、
- レース向けロード
- エンデュランスロード
- オールロード
- グラベルロード
では設計思想が違います。
だから、
「自分は身長175cmだから絶対54サイズ」
という選び方ではなく、
自分が今まで快適だった自転車のジオメトリーと比較する
という方法が、かなり分かりやすいと思っています。
榎本流は「最終的にハンドルまでの距離を見る」
ここからは、さらに僕独自の考え方です。
僕はフレームだけではなく、
トップチューブ + ステム長 + ハンドルのリーチ
をひとつの目安として考えています。
僕の場合、
- 身長:約180cm
- 股下:約85cm
- サドルトップ:約745mm
が基準です。
そして僕が昔から乗りやすいと感じている組み合わせのひとつが、
トップチューブ560mm + ステム100mm + ハンドルリーチ80mm
です。
合計すると、
560 + 100 + 80 = 740mm
この「740mm」を、僕自身の自転車を組むときのひとつの基準として考えています。
もちろん、実際のブラケット位置はハンドル形状や取り付け角度、ヘッド角、ステム角度などでも変わるため、単純な足し算だけでポジションが決まるわけではありません。
ただ、
「このフレームにしたら、今までよりどれくらい遠くなる?」
を大まかに考える方法として、僕は今でも使っています。
少し大きなフレームでもステムで調整できる場合があります
例えば、僕がトップチューブ570mmのロードバイクに乗りたいとします。
僕の基準は740mmなので、
740 – 570 = 170mm
ハンドルリーチが80mmなら、
170 – 80 = 90mm
なので、まずは90mm程度のステムを候補にします。
逆にトップチューブが550mmなら、
740 – 550 – 80 = 110mm
なので、110mm程度のステムから考えてみる。
こうやって僕は、フレームサイズが多少変わっても、ステムやハンドルを含めて全体のポジションを考えています。
ただし「ステムで何でも調整できる」わけではありません
ここは大事です。
「フレームが大きくてもステムを短くすればいい」
というわけではありません。
フレームサイズが変わると、
- スタック
- リーチ
- ヘッドチューブ長
- シートチューブ長
- シート角
- ハンドルの高さ
- サドルからハンドルまでの落差
なども変わります。
さらに、極端に短いステムや長いステムにすると、ハンドリングにも影響します。
そのため、パーツで調整できる範囲には限界があります。
僕の場合は、
まず適正と思われるフレームサイズを選び、その中でステムやハンドルを使って自分に合わせる
という順番で考えています。
サイズ表の「適正身長」は参考程度に
メーカーのホームページを見ると、
「身長170〜180cm」
のような適正身長が書かれていることがあります。
もちろん参考になりますが、僕はこれだけでは判断しません。
例えば同じ175cmでも、
- 脚が長い人
- 胴が長い人
- 腕が長い人
- 身体が柔らかい人
- 前傾姿勢が苦手な人
では、乗りやすいポジションが変わります。
さらに、
「速く走りたい」
のか、
「休日に100kmを快適に走りたい」
のかでも、選びたいポジションは違います。
身長だけではロードバイクのサイズは完全には決められない
ということです。
迷ったら「今乗っている自転車」と比較する
すでにロードバイクを持っている方なら、これが一番おすすめです。
今乗っている自転車が快適なら、その自転車の
- トップチューブ長
- リーチ
- スタック
- ステム長
- ハンドルリーチ
- サドル高
を調べてみてください。
そして欲しい自転車のジオメトリーと比較します。
「今よりリーチが5mm長い」
「スタックが15mm高い」
「でもステムを10mm短くすれば良さそう」
という感じで考えていくと、サイズ選びがかなり分かりやすくなります。
サドル高も重要です
フレームサイズと同じくらい重要なのがサドル高です。
僕が普段どのようにサドル高を考えているのかについては、こちらの記事にまとめています。
サイズ選びと合わせて参考にしてみてください。
まとめ:フレームサイズだけで決めない
僕がロードバイクのサイズを考えるときは、
① 身長から大まかなフレームサイズを考える
↓
② トップチューブ・リーチ・スタックを見る
↓
③ ステム長とハンドルリーチを含めて考える
↓
④ サドル高とハンドル位置を調整する
という流れで考えています。
ロードバイクは、フレームサイズだけでポジションが決まるわけではありません。
ステム、ハンドル、スペーサー、サドル位置などを調整することで、かなりポジションを変えることができます。
だから、
「52と54、どっちを買えばいいか分からない」
「欲しい自転車が自分の身体に合うか不安」
という方は、数字だけを見て諦めなくても大丈夫です。
ただし、パーツで調整できる範囲にも限界があります。
特に高額なロードバイクの場合は、購入してから「サイズを間違えた」となるのが一番もったいないです。
エレファントサイクルでは、車種・身長・股下・現在乗っている自転車などを確認しながら、サイズについても一緒に考えています。
通販で購入を検討されている方でも、
「このサイズで大丈夫?」
というところから相談してください。
ロードバイクはサイズが合うだけで、乗りやすさがかなり変わります。
フレームに身体を無理やり合わせるのではなく、自分に合った一台を作っていく。
僕はそれが、自転車選びの面白いところだと思っています。


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