冬だ! 雪山だ! スノースクートだ!

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早いモノで2025年ももう終わり。紅葉の季節が過ぎ、冬の足音が聞こえてくると、妙にソワソワしてしまうぼくがいるのです。なんだか、落ち着かない。今は福岡に住んでいて、もはや無縁なのだけれど、「そろそろ雪が降るのかな……」なんて心のどこかで思っているのでした。

それはなぜか?

以前、スノースクートをやっていたから。

今は辞めたワケじゃなくて、ウエアも機材も、なんならワックス一式もまだ持っているんだけど、福岡にきてからはもうぜんっぜん行けてない(北海道までが高いからなんだけど……)。

スノースクートって?

ところで、みなさん、スノースクートって知ってる?

知らない人が多いと思うんだけど、要はね「雪上自転車」なのです。

こんなの。

タイヤがボードになったBMXといえばわかりやすいかな。

デッキ部分に立って、ハンドルを握ってゲレンデを滑るという、ウィンタースポーツギアのひとつ。

1990年代初頭、フランスのBMXライダーであるFrank Petoud氏が遊び心でBMXのフレームにボードを取り付けて遊んでいたのがそのルーツ。

その後、フランスのBMXメーカー「sunn」に商品企画を提案し、本格的な商品化が始まるんだけど、そのあとイロイロあって(だいぶ割愛)、今、世界でスノースクートの開発と販売を継続しているのは、なんとBMX系の日本の大手代理店である「Jykk Japan(https://snowscoot.co.jp)」。

そうなのです。言ってしまうと、スノースクートがいちばん盛り上がっている(というか認知されている)のは、なんと日本。それでもまだまだメジャーとは言いがたいけれども。

で、スノースクートも自転車同様、フレームの形状(ジオメトリ)とボードの形状・フレックスなどの組み合わせによって、技術レベルや用途で選択できるようになっていて、なかなか奥が深いのです。

PRODUCTS 一覧 PRODUCTS - SNOWSCOOT® [スノースクート] Official|ジック・ジャパン株式会社
JykkSnowscoot2021モデルのご紹介

ぼくがウィンタースポーツをはじめたきっかけこそがスノースクートであり、当時、とりあえず入門用のクロモリフレームの「ONE」というモデルをヤフオクでいきなり買って、何シーズンか使ったのち、アルミフレームの上位モデル「Style-A」をこれまたヤフオクで購入して、どこかの業者にリペイントしてもらったのでした。

もちろんボードも替えたし、ハンドルバー、ステム、ヘッドセットも自分好みにカスタマイズ。ハンドルまわりのパーツはBMXのものがそのまま使えるから選択肢も多くて、このへんの感覚、とても自転車に似ていておもしろい部分。

ちなみに本体の重量は8kg〜10kgくらいなので、まぁロードバイクと同じくらいと思ってもらえれば。自転車と同じように、ボードも簡単に外れるようになっているので、移動もそこまで苦じゃないかな。

どうやって乗るの?

乗り方は、とっても簡単。ウィンタースポーツはじめてだったぼくが、半日くらいで普通に初心者コースを滑ることができるようになったくらいだから。

具体的には、デッキ部分に立って、フットストラップに両足を入れて、ハンドルバーを握り、少し膝を曲げた状態で滑る。ターンは体重移動。右へ体重移動させると右へ曲がり、左へ重心を傾けると左へターンする感じ。

ハンドルは握ってバランスをとるだけで、自転車のように左右に切って曲がるわけじゃないのがポイント。

ちなみにブレーキはないので、減速したい場合はスノーボードやスキーと同じように、エッジを立てて減速する。

この感覚って自転車でいうところのリアブレーキをロックさせてドリフト状態に入ったときに似ているので、わりとすぐにできるはず。

ちなみにスクール等はないので、すべて独学と経験だけどね(笑)。

慣れると、できることがどんどん増えていくのもスノースクートの面白いところ。

カービングといって高速のままエッジを立ててターンしたり、マニュアル、バニーホップといった簡単なBMXライクなトリックだったり、よりハイレベルになると逆向きで滑るフェイキーや360度ターン、レールスライドやボックス、キッカーでジャンプトリックなどなど、遊び方は無限大。

あ、そうそう、服装はスノーボード用のウエアで問題なし。ブーツは防寒性があり、足首の動きを制限しないブーツならなんでもOK。スノートレッキング用がオススメ。

自転車では味わえない“浮遊感”

あと、なんといっても、スノースクートの醍醐味というか、ウィンタースポーツならではの要素がディープパウダー(深雪)に突っ込んだときの浮遊感。

小麦粉のような細かい雪を全身に浴びながら、ボードがフワフワと浮く感覚を味わいながら滑走する様は、自転車だと絶対に味わえない不思議な体験。

スノースクートで深雪って、重心を前にするとフロントボードが刺さって前転しちゃうから、滑るときは重心をやや後ろにしてバランスをとらなきゃいけないという難しさがあるんだけど、うまく抜けたときの爽快感は格別。もう、アドレナリン出まくりで、最高に気持ちがいい。

“パウダージャンキー”なんて言葉もあるけれど、パウダースノーを滑ったときのあの高揚感は、ウィンタースポーツでないと味わえない特別なものだと思う。

そもそもリフトに乗れるの?

……と、スキー場で滑るとなると、やっぱりリフトに乗らなきゃいけないわけで。

自転車みたいなものを抱えてリフトに乗れるの? じつは簡単に乗れちゃうんです。スキーやスノーボードよりも簡単だと思う。

まず、駐車場など雪面ではない場所を移動するときは、抱えて移動することになるんだけど(肩にかつぐ感じ)、ゲレンデの平地を移動するときはキックボードの要領で、片足でキックして前進するだけ。

これがほかのギアだとビンディングで足とボードがくっついているので、初心者にはリフトがひとつの難所になるんだけれど、スノースクートだと超簡単。

キックボードようにリフト乗り場に移動し、所定の場所でリフトがくるのを待つだけ。

で、リフトに乗ったらハンドルバーを両足にひっかける(モモに乗せる感じ)。以上。一見すると“落ちそう”だけど、落ちないんだな、これが。

こんな具合ね。

楽だよー、これ。リフト乗り場&降り場って、ちょっとしたスロープになっていることが多くて、初心者ボーダーがよく転んでいたりするけれど、スノースクートだと両足がフリーだから、転ぶようなこともほとんどない。

もちろんゴンドラにも乗れる(乗れないスキー場もある)。ただし、ゴンドラ乗車時はさすがにかつぐ必要があるけどね。あと、フード付きの高速リフトなんかも問題なく乗車可能。

ただし、滑走可能なゲレンデは限られる

そんな、簡単で超楽しいスノースクートだけど、すべてのゲレンデで滑走できるわけではない、というのが現実。それでも、もうだいたいの主要ゲレンデは開放していて(開放率は全スキー場の80%らしい)、まず困ることはないけれど、マイナーなところだとまだNGというところもあったりするから注意。

まぁ、こればかりは仕方ない。だって、ほぼ自転車だから(笑)。

ちょっと混雑気味のコースを注意して滑っていたら、とある家族連れのお母さんが子どもに「ホラ、自転車きたよ。端に寄って〜」なんて、声かけるくらいだから。

金属だから、当然、当たったら痛い。だからこそ、人が多いところを滑るときは、全集中なのです。

非日常が味わえるスキー場だけの魅力

スノースクートにハマった理由は、乗っていて最高に楽しいことがいちばんなんだけれど、もうひとつ、スキー場という非日常空間に惚れた、というのもある。

スキー場って山にあるでしょう? 山って温泉があったりするでしょう? 温泉があると、温泉街やら美味しい食べ物があったりするでしょう?

そう、ウィンタースポーツだけでなく、温泉と美味しい食べ物、それらトータルで楽しめちゃうのですよ。

朝からたっぷり滑って、夕方くらいにいったん切り上げて、美味しいもの食べて、温泉入って、「ちょっとナイター行っとく?」みたいなノリで、人が少ない夜のゲレンデを滑走して、でもって再び温泉入って、ゆっくり寝る、と。もう最高じゃん。

雪が降るなかで露天風呂とか、疲れが吹っ飛ぶよね。

で、翌日の朝、圧雪車がゲレンデを整備しているのを見ながら朝食を食べ、リフトが運行すると同時にゲレンデイン。

晴れた朝はとくに気持ち良くて、青い空にできたばかりの樹氷がキラキラと映えるのよ、これが。

ワクワクしながら山頂へと急ぎ、まだだれも滑っていない新雪を滑り始めたときの“あの感じ”は、ほんと、ほかのどんなスポーツでも味わえない最高の瞬間。

……そして、こんなことを書いていると、というか、毎年この季節になると「どうしてぼくは雪とは無縁の福岡にきてしまったのだろう……」と、思わずにはいられないのだった(泣)。

広島のスキー場も7カ所で解放しているものの(広島にそんなにスキー場があるなんて知らなかった)、今のところ広島県内でスノースクートを取り扱っている店舗はないっぽい。

前に榎本さんに「今後スノースクート(の取り扱い)なんてどうすか」と無責任に言ったことがあるけれど、こればかりは体験してみないとねー。だいたい自転車屋さんが冬の閑散期を盛り上げるべく扱っているケースが多い気がするから。

ともあれ、MTBのダウンヒル好きなら絶対にハマると思うので、ぜひ! ぼくはMTBのダウンヒルやったことないけど。


福岡のdaidai

スキー場としては北海道の「キロロ」がお気に入り。あそこには望むモノが全部ある。
ただ、九州から行こうとすると……高い……(泣)。

「leisurely bike(のんびり自転車)」という名前でYouTubeとInstagramもやってます。

YouTube
https:/www.youtube.com/@leisurelybike

Instagram
https://www.instagram.com/leisurely_bike/

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